地方公共団体が営利事業の後援につく理由
※最近の木下サーカスの興業は、自治体等の後援がウェブサイトに載らなくなりました。なんと、実際には後援申請はされていました。
サーカスは、れっきとした営利事業です。
しかし、地方公演ごとに開催地の地方自治体が後援についています。
自治体の後援名義の規定では、営利事業でないことが条件になっているにもかかわらず、どうしてそのようなことが行われているのでしょうか。
サーカスの地方公演では、後援についた団体などに大量の無料チケットがばらまかれています。後援につくのは、恐らくチケット欲しさの面もあるのだろうと想像はしていましたが、2014年2月に岡山県から得た回答には、まさにチケットがもらえることが理由だとはっきり書かれていました。
果たして、地方公共団体の決定が、このように金品に左右されていいのでしょうか? これは、買収されているのと同じだと感じます。
(しかし、この岡山県の場合は、形式的には県が直接贈与を受けているものではなく、外部団体が抜け道になっています)
岡山県保健福祉部保健福祉課長名でいただいた回答を、ごらんください。
岡山県からの回答:
ご意見をいただき、ありがとうございました。
山陽新聞社主催の「木下大サーカス岡山公演」については、
社会福祉事業への協賛として開催され、
県内の福祉施設に5,000枚の招待券が贈呈されることから、
本県としても福祉向上の観点で後援名義の使用を承認しております。
なお、お話の他国のようなサーカスへの法規制については、
皆様の声を関係省庁へ直接届けていただきながら、
幅広い議論が行われることを期待したいと存じます。
金品の前に、動物虐待は取るに足らないことになってしまいます。
日本のサーカスは、地方の新聞社、テレビ局、ラジオ局などが主催になる形で興行されています。
本来なら、マスメディアがこのような事業を主催することはジャーナリズムの精神に反するとして避けられるべきですが、日本ではマスメディア自らが広告宣伝の役割を担うことで、興行チケットが売れ、サーカスの継続につながってしまっています。
サーカスの興行が地方公共団体の後援を得る際にも、この形式がものを言います。営利事業が、非営利・公共事業に化けるのです。
予算もピッタリ収支が合い、利益は出ない形です。以下は、山陽新聞社が主催する岡山公演の予算書です。
以下3点の書類は、山陽新聞社が後援名義を県に申請した際の書類です。クリックで拡大してご覧ください。娯楽だと、はっきり書いてあります。(チラシと興行案内は省略しました)
これに対して、県が審査、承認した書類が以下の通りです。
岡山県保健福祉部の承認基準は以下のPDFファイルの通りで、「営利を目的としない公益的事業であること」に加えて「保健福祉行政の推進に寄与するものであること」という基準をクリアしなければならないとあります。
そもそも「奇跡のホワイトライオン世界猛獣ショー」などといった時代錯誤の娯楽を見せて、一体どこが保健福祉行政の推進に寄与するのか、まったく理解に苦しみますが、上記の書類の通り、承認に至っています。
また、保健福祉部の中で動物愛護行政も行われていますが、特定動物(危険な動物)として飼育に規制がかかっているような動物を使うショーに自らお墨付きを与えて問題ないのか、そこも疑問です。
ぜひ、このような実態は問題だと声をあげてください。>> あなたにできること
サーカスの飼育設備は移動用を兼ねていて、動物に配慮されたものとはとても言えません。日本の写真を見ても、劣悪と言ってよいものばかりだということがわかります。移動も長距離にわたり、頻繁です。調教の過酷さについても、これまで諸外国で内部告[…]