木下サーカス

kinoshita_2013elephant2-2いわゆる「木下大サーカス」。
明治35年(1902年)に始まり、現在まで続く日本の老舗サーカスですが、動物の利用は続いています。運営は、木下サーカス株式会社(岡山県岡山市北区表町3丁目23-23)です。(会社の所在地に動物飼養施設はありません)
毎年数か所、各地で2か月間ほどの地方公演を行っており、動物も長距離輸送されます。

2025年の公演

動物サーカスを行っている木下サーカス、北九州公演と名古屋公演の主催・共催・協賛の企業に意見を送ってください。主催・共催はテレビ局、ラジオ局、新聞社と、マスコミ関係ばかりです。木下サーカスの動物芸に使われている動物はアジアゾウ、ライオン(ホワ[…]

動物を利用した出し物は、ゾウの曲芸、ライオン(ホワイトライオン含む)の猛獣ショー、シマウマの見世物などを行っていましたが、現在は、ゾウとポニーのショーを行っています。

毎回、ゾウと一緒に記念撮影1回800円も行っていますが、2020年の立川公演のように、ピエロ、ポニーと一緒に記念撮影に変更される場合もあります。ゾウは写真撮影サービスに使われている間、足を鎖で繋がれていますが、激しく体をゆする常同行動をしています。ゾウはラオスから借りており、2025年に返却しなければなりません。ラオスはワシントン条約(CITES)事務局から取引停止勧告を受けており、新たなゾウを日本に輸出することはできません。

輸送が困難なキリンも長年連れまわしていましたが、引退後に死亡、現在はキリンはいません。シマウマもいなくなりましたが、引退や死亡等について一切公表はありませんでした。

◎横浜公演の場合(at 桜木町駅近くの特設テント)

情報開示請求によって得られた資料から、横浜公演を例に、詳細をまとめてみました。

※使用された動物(ただし、申請時点の予定数)

平成24年
ライオン11頭(うちホワイトライオン4頭)、キリン1頭、ゾウ2頭、シマウマ4頭、ポニー2頭
ケージ等13個

※各動物種ごとの飼育環境

※全般

●獣舎は海上輸送コンテナであり、移動設備を兼ねた、大変狭いものです。外壁・内壁・床・天井すべて、鉄製です。(詳細は、それぞれの動物のページをご覧ください)

<サイズと数> 長さ×幅×高さ
ポニー舎×1   6m × 2m50cm × 2m50cm 長さは2等分に区切られている
ライオン舎×5  6m × 2m43cm × 2m45cm
シマウマ舎×1  6m × 2m50cm × 2m50cm 長さは4等分に区切られている
キリン舎×1   6m5cm × 2m42cm × 5m17cm 移動時は、3m20cmに高さを下げる
ゾウ舎×1    10m50cm × 2m45cm × 2m45cm

●キリンは、移動時は「足を折り曲げ首を前へ倒している」と公式サイトに書かれています。「それは、サーカスのキリンだからできるんだ」とのこと! ふつうのキリンにはできないことをさせているわけです。

また、キリンは2時間に1回、休憩の時に首を伸ばせるそうですが、その際にコンテナを伸ばす高さを「6メートル」だと公式サイトは書いています。しかし、実際の図面は5m17cmです。

●ゾウ舎は長さ10m50cmとありますが、ここに2頭です。足枷でつながれます。

●動物取扱業の実施の方法には、「飼育環境の変化及び輸送に対して十分な耐性が備わった動物が演芸いたします」と書かれています。逆に言えば、ふつうの動物では耐えられないということではないでしょうか。

>動物を見世物にする興行にノー!の声を

動物を見世物にする興行にノー!の声を

動物たちは、自分でのぞんで芸をしているわけではありません。
彼らの本来の生き方とかけ離れた姿を見せることで、サーカスは、動物について間違った理解を広めています。
残念ながら日本では、マスメディアや大企業がサーカスの興行に関与しているため、正しい理解が広まりません。
草の根で、動物たちのために声をあげていきましょう。