【寄稿】シルク・ドゥ・ソレイユ『アレグリア』-新たなる光- 鑑賞レポート　動物を犠牲にしないサーカスの素晴らしさ

世界最高峰のサーカスは動物を使わない。
シルク・ドゥ・ソレイユが5年ぶりに日本上陸。

シルク・ドゥ・ソレイユ『アレグリア』-新たなる光-
6月25日まで東京公演　感動上演中！　大阪公演は7月14日から

動物を犠牲にするサーカスの興行がまだまだ盛んに行われていた1980年代、動物を使わないサーカス団として設立されたのがシルク・ドゥ・ソレイユです。そのポリシーだけでなく、実力の素晴らしさから、世界最高峰のエンターテイメント集団に成長しました。

新型コロナウイルス感染症流行の影響により解散の報を聞いたときは大ショック！でしたが、無事復活。５年ぶりに日本に上陸し、現在、東京公演が行われています。

その舞台『アレグリア』を鑑賞したヴィーガン ディレクターの山中 安澄さんが、動物たちのために寄稿してくださいました！

寄稿

シルク・ドゥ・ソレイユ『アレグリア』
～動物を犠牲にしないサーカスの素晴らしさを伝えたい

ヴィーガン ディレクター　山中 安澄

コロナ禍を経て、復活したシルク・ドゥ・ソレイユを見てきました。

人間の身体能力の可能性を最強に感じるエンタメ。今まで国内外でたくさんのシルク・ドゥ・ソレイユのショーを見てきましたが、どれも演技はもちろん、衣装、音楽、演出全てがハイクオリティー。頭の後ろまで鳥肌が立ち、感性を刺激されるビジュアル。最高です。鍛え抜かれた肉体と、演者たち同士の信頼と一体感がなせる技。そこにも感動せずにはおれません。

何より可哀想な動物たちを使っていないことが素晴らしい。元々サーカスの火吹き男だった方が「動物の犠牲のないサーカスを作ろう」と始めたのがシルク・ドゥ・ソレイユ。応援したいこともあり財布の紐が緩んで良い席のチケットを購入。しかしお値段以上の価値は十分あります。

私は人生で１度だけ動物のサーカスを見たことがありました。親戚のおばさんが新聞販売店からチケットもらったからって連れて行ってくれたのです。幼い頃から動物が大好きだった私、当時幼稚園くらいでしたが口輪をされたり、鞭を持つ人間に無理やり芸をやらされている動物たちの辛さが体の中に流れてくるような苦しさを今も覚えています。テント内の空気も重くて苦しみが満ちている感じでした。虐待されている動物を見させられている気分しかせず半泣きで帰宅。「お母さん…もうサーカス見たくない。こわい…。」と。

サーカスの裏側はとても悲惨です。虐待され、鞭打たれ、洗脳されて芸をさせられます。サーカス反対のアクション中、バックヤードを見に行くと、ストレスで正気を失った動物たちが異常行動をしていたり、ムチで叩かれる音。叫ぶ動物の声が聞こえたことがありました。柵をこえて助けに行けない辛さ…。胸が張り裂ける思いでした。

パンデミックが世界を襲った今、病気の面でも劣悪な環境で動物を使うサーカスは時代錯誤とされるべきものと思っています。

人道的な面はもちろん、エンタメのクオリティーとしても普通のサーカスとシルク・ドゥ・ソレイユは比べ物になりません。

その証拠に動物を前面に出して宣伝しているサーカスは新聞社がタダでチケットを配り集客に必死。それに引き換えシルク・ドゥ・ソレイユはチケットがすぐに売り切れてしまいます。

動物を使ったエンタメは断固反対。奴隷と一緒だと思います。
自分がされて嫌なことは他の命にもしないでくれる世の中になって欲しいです。