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ボリショイサーカスへの施設貸与中止を求める要望書

2019年9月2日

ボリショイサーカスへの施設貸与中止を求める要望書

拝啓

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

さて私どもは、現代社会において搾取・利用される動物たちの苦痛に心を痛め、活動する市民グループです。今年、貴施設にてボリショイサーカス公演が行われたことを非常に遺憾に感じており、以後同サーカスへの施設貸与を止めていただきたく、要望いたします。

ボリショイサーカス日本公演でもクマを棒で叩くところが確認されていますが、本来自由に生きる野生動物であるクマを人間に従わせるためには、子熊のときから力で教え、苦痛を与えることでの調教・コントロールが用いられます。同封したのは、雑誌『ナショナルジオグラフィック』が動物の見世物行為を批判する特集を組んだ際に掲載されていたロシアのサーカスの調教風景です。こういった不自然で残酷な行為を拒否する人々が世界的にふえ、現在では、40か国以上で野生動物の移動サーカス興行が法的に禁止されています。(リスト添付)

例年深刻になる酷暑の盛りにロシアからクマを連れてくることも問題です。現物をご覧になっているかと思いますが、ボリショイサーカスは、自由なスペースが全くない狭隘な移動檻でクマを飼育し、この体が入るだけの小さな檻で全国の興行地を転々と連れまわしています。尊厳を奪われたその姿は、哀れそのものです。

クマは危険な動物として日本では特定動物に指定され、飼育は許可制です。許可を得ているのだから合法だと主張されるかもしれませんが、屋外に置いた移動檻を簡易なテントで囲うだけのボリショイサーカスの設備は、厳密には二重扉とは言えず、本来なら許可を得るには不十分なものです。市民の安全を脅かす興行に手を貸すのはいかがなものかと存じます。

特定動物については、本年、動物愛護法の改正があり、来年からは愛玩飼育は禁止となります。それに伴い、衆議院・参議院両院の環境委員会では、以下のような意見を決議しました。

「特定動物の飼養・保管の許可については、人体への危害の防止、住民不安の解消、災害時の対策等の観点から、娯楽、触れ合い等を目的とした飼養・保管を規制する措置も含めた規制の在り方を検討すること。また、飼養施設の強度を担保し逸走防止策を図るだけではなく、移動檻での常時飼育などの不適切な扱いを防止し、特定動物のアニマルウェルフェアについても指導、監視できるよう検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。」

まさにボリショイサーカスのクマのような動物の扱いが問題視されました。

かつては、黒人や障害者など人間を見世物にしたこともありましたが、いまは人権の観点から行われなくなっています。動物についても同じ流れにあり、見世物にすること自体が時代錯誤となってきています。金銭的利益や一時の娯楽のために動物虐待を行ってもよいと人々に感じさせ、動物に対する無理解を助長させるのは問題です。面白おかしく見る人間がいて、それに対価を払う人がいるのだから動物がどのように扱われていてもいいというのは、利己的かつ暴力的な態度であり、特に子どもたちの教育にとって良くありません。

来年以降、ボリショイサーカスに施設貸与を行うことをどうか止めていただきたく、お願い申し上げます。

なお、この件につきまして、ご回答を9月中にいただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

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草の根で、動物たちのために声をあげていきましょう。