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国立ボリショイサーカスの公式サイトに動き。動物ショー廃止の要望書を送付しました

▼国立ボリショイサーカスの公式サイトにメッセージが掲載された
ボリショイサーカス 公式サイト 告知

2月に入り、国立ボリショイサーカスの公式サイトに「公演の予定はこちらのホームページでお知らせいたします」との告知が掲載されました。新型コロナウイルスによりしばらく来日が中止されていた同サーカスですが、今年は公演が予定されていることをうかがわせる記載です。

ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めたタイミングだからというわけではありませんが、PEACEでは、動物ショーの廃止を求める要望書をボリショイサーカス・インターナショナル株式会社に送りました。

皆さまからも、まだ動物を日本に連れてくるのか、いつ動物の利用を廃止するのか、確認をお願いいたします。

意見送付先

〒101-0065 東京都千代田区西神田3-3-6 九段オーシャンビル4F
ボリショイサーカス・インターナショナル株式会社
代表取締役社長 中山 雅順 様

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国立ボリショイサーカスでの動物ショー廃止を求める要望書

ボリショイサーカス・インターナショナル株式会社
代表取締役社長 中山 雅順 様

拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、私どもは、動物保護の立場から活動する市民団体として、動物のエンターテイメント利用に強く反対しております。これまで、貴社がロシアから日本に招致し、各地で興行を行ってきた「国立ボリショイサーカス」では、クマやウマ、フェレット、犬、猫などの動物が使われてきました。本年2月1日に、貴社サイトに「今後の公演の予定はこちらのホームページでお知らせいたします」との記載が載りましたので、今年も公演が行われる可能性があると考え、動物ショー廃止を要望したく、お便りした次第です。

貴社でも既にご承知のことと存じますが、巡回興行での動物(特に野生動物)のショー利用に関しては、動物虐待との認識のもと、法的禁止が国際的に進んでおり、ロシアでもその動きがございます。また、昨年フランスが巡回サーカスでの野生動物の利用禁止を可決して以降、娯楽産業での動物の利用に関する諸問題について、日本でも関心が高まっていることを実感しております。
そのような中、動物を用いるサーカスの興行を招致することは、人々の動物に対する理解の醸成を阻み、問題をさらに引き延ばすことにつながります。

そもそも、ロシアからわざわざ日本まで動物を連れてくること自体、動物たちに多大なストレスを与えており、問題です。動物たちは、高温多湿の過酷な夏を日本で経験することになり、過去の公演では、あばらの浮きかけた削痩気味な馬や、犬の下痢などを目撃しました。

クマは口輪をはめられ、極小の檻の中で、体を揺らすなどの常同行動にさいなまれています。ロシア人調教師らがクマを棒状の道具で殴るところも、複数回目撃されています。動物を調教・ハンドリングするために直接的な暴力が用いられていることは、疑いようがありません。

どうか、子どもたちに夢を売るという名目のために、動物たちに苦しみを与えないでください。暴力や強制によって仕込まれた動物の芸を人々に提供することは、娯楽として問題があります。動物は人間の娯楽のための道具ではありません。野生動物は、本来の生息地でありのままに生きるべき存在であり、現代では保護の対象です。犬や猫は、芸をせずとも家庭に受け入れられ愛されることが幸せです。
貴社として動物ショー廃止のご決断をしていただきたく、よろしくお願い申し上げます。

なお、人間が行うパフォーマンスのみの興行をしていただきたいというのが当会の願いではありますが、現在、ウクライナへの軍事侵略を開始したロシアに対し各国が制裁を強めるなか、ロシア連邦のサーカス公団に対価を払ってエンターテイメント興行を行わせること自体が人道的とは感じられないということは申し添えたいと存じます。

以上、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
動物ショー廃止の要望に関しまして、貴社のご回答をいただければ幸いです。

敬具

参考:ロシアでのサーカス禁止に関する動向

2010年 ロシア連邦法案「動物の責任ある取扱いに関する法律」が下院に提出された。
2011年 下院第一読会を通過。
2012年~ 第二読会では審議休止。動物を伴う移動サーカスの禁止等、動物の商業利用に関する厳しい規制が含まれているために、議会内で反対論が根強かった。
2016年 プーチン大統領が支持を表明。
2017年 審議が再開されたものの、通過せず。先行して「動物虐待防止法」が制定された。
2018年 成立。ただし、サーカスの動物利用は免許制に。

参考:【ロシア】動物虐待防止に関する法改正国立国会図書館「立法情報」)

2019年 イングーシ共和国の首都マガスがサーカス巡業での動物の使用を禁止した。ロシア国内で初。

 

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動物たちは、自分でのぞんで芸をしているわけではありません。
彼らの本来の生き方とかけ離れた姿を見せることで、サーカスは、動物について間違った理解を広めています。
残念ながら日本では、マスメディアや大企業がサーカスの興行に関与しているため、正しい理解が広まりません。
草の根で、動物たちのために声をあげていきましょう。