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フランスがサーカスの巡回公演での野生動物の使用を禁止! 背景にはパリ市街地でのトラの射殺

昨年11月、フランス議会は、ライオン、トラ、クマなどの野生動物をサーカスの巡回公演で使用することを禁止しました! 

それだけではなく、ペットショップでの犬猫の店頭販売、イルカショー、ポニーライドなどの禁止も可決されました。テレビ番組、ナイトクラブ、プライベートパーティーなどでの野生動物の使用も禁止です。

巡回サーカスでの動物ショーは2年後、動物の所有は7年後に違法となります。

フランスの国際ニュース専門チャンネル「France24」によると、世論調査では、フランス人の大半がこの法律を支持しており、多くの都市や町がすでに動物を使用するサーカスの巡回を禁止しているとのこと。フランスは、娯楽のための動物の使用を禁止もしくは厳しく制限している20以上のヨーロッパ諸国と歩調を合わせることになると報じられています。(記事:France bans wild animals in circuses

フランスの団体「ラ・フォンダシオン・トレント・ミリオン・ダミ(La Fondation 30 Millions d’Amis、3000万人の友財団)」と世論調査会社「IFOP」による2020年の世論調査では、72%の人々がサーカスでの野生動物搾取に反対。

La 3ème vague du baromètre annuel « Les Français et le bien-…

パリ市街地で射殺されたサーカスのトラ

フランスでは2017年、サーカスから逃げたトラがパリの中心街をうろつき、トラの所有者であるエリック・ボーマンが散弾銃で射殺するという衝撃的な事件がありました。サーカス「シルク・ボルマン・モレノ(Cirque Bormann Moreno)」に囚われていた1歳半のメスのトラ「メビィ(Mevy)」が殺されました。

▼ブリジットバルドー財団が公開した射殺されたMebyの写真

サーカス側は、トラの檻の南京錠が切られたと主張したようですが、トラを解放した人がいたなら、その人が襲われていないのは不思議です。

いずれにしても、トラのような動物をサーカスの簡易な施設で連れまわして飼育すること自体にリスクがあり、この事件後、サーカスでの動物利用に対する批判の声が、フランスでは一層高まりました。

写真:Camille Gévaudan, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

▼隠された死体

▼銃声

参考ページ

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>動物を見世物にする興行にノー!の声を

動物を見世物にする興行にノー!の声を

動物たちは、自分でのぞんで芸をしているわけではありません。
彼らの本来の生き方とかけ離れた姿を見せることで、サーカスは、動物について間違った理解を広めています。
残念ながら日本では、マスメディアや大企業がサーカスの興行に関与しているため、正しい理解が広まりません。
草の根で、動物たちのために声をあげていきましょう。