PEACEのスタッフが今年2月にタイを訪問し、木下サーカスがゾウの病院を寄付したとしている国立エレファント・コンサベーション・センターに「キノシタ・エレファント・ホスピタル」が存在しないことを確認してきました。
2025年2月、PEACEのスタッフがタイを訪問しました。アジアゾウに関連する施設や保護区を巡ってきましたので、PART…
このことを、PEACEは木下サーカス北九州公演・名古屋公演の主催社・共催社に、3月14日付の要望書で伝えていました。
そうしたところ、木下サーカスの「象の病院」のページが修正され、木下サーカスがタイの国立エレファント・コンサーベーション・センター内に建設した「キノシタ・エレファント・ホスピタル」がすでになくなっていることが、ようやく明らかにされました。
「発展的解消となりました」とポジティブにとらえるような表現が使われていますが、これは組織などが解散したり廃止になったりしたときに使われる慣用的表現です。木下サーカスはこのことをずっと伏せており、現在もタイの国立の施設に木下寄贈の病院が存在するかのような印象を持たせ続けてきていましたが、木下サーカスが寄贈したというゾウの病院は、やはりもう存在しなかったのです!
存在しないゾウの病院について木下サーカスが言及し続けているため、寄贈したこと自体が事実なのかずっと疑問に思っていましたが、今回公表された文章によれば、およそ10年間は運営されていたが廃止されたということのようです。
木下サーカスがこの事実をウェブサイトに載せたのは、2025年3月29日です(タイムスタンプを確認。下記スクリーンショット参照)。タイ訪問記を公表した際には、キャッシュを見ていたのか、この修正が表示されていなかったので、改めて皆さまにご報告いたします。
それにしても、ゾウの病院が1999年に建設され、約10年後の2009年頃に閉鎖されたとすると、およそ16年間も廃止が明かされなかったことになります。すでに現地では、もっと大きな病院が稼働しているのに、です。

木下サーカスは、ゾウの病院建設のためとして募金を集め、現地に直接寄付するのではなく、野生動物を日本に連れてくる手配等に関与している日本の団体に寄付し続けています。アジアゾウの保護を掲げるのなら、まず最初に絶滅危惧種であるアジアゾウのエンターテイメント利用を廃止するべきではないでしょうか。一般の日本人にはブルフックで調教・制御されるアジアゾウを見せ、不適切な飼育下で激しい常同行動を起こすようになったゾウたちと写真撮影をさせ、一方で(なぜかゾウを借りているラオスではなく)タイのゾウたちのために募金を!というのは、グリーンウォッシュ以外の何ものにも見えません。
本年2月、PEACEのスタッフがタイを訪問しました。アジアゾウに関連する施設や保護区を巡ってきましたので、PEACEのメインのサイトにレポートを掲載しました。PART 1木下サーカスが寄贈したというゾウの病院はどこにあるのか[…]
2025年2月、PEACEのスタッフがタイを訪問しました。アジアゾウに関連する施設や保護区を巡ってきましたので、PART…
追記
木下サーカスの2025年の北九州公演・名古屋公演の主催・共催・協賛各社への抗議・要望書の回答状況については、こちらに掲載しました。
見て見ぬふりの主催・共催の報道機関と動物福祉の聞き取りを行った協賛の森永製菓動物の調教芸を行う木下サーカスの北九州公演(3/23~6/30)と名古屋公演(7/13~10/27)にあたり、各公演の主催・共催・協賛企業に対し抗議し、動物[…]