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Circus without animals, stop pets abuse concept.

【アメリカ】コロラド州でも移動サーカスの野生動物ショーなどが禁止されました!

2021年5月14日、アメリカ、コロラド州でも、巡回サーカスでの動物ショーを禁止する法律に知事が署名し、成立しました。

「動物の巡回公演における特定の動物の使用禁止(SB21-135 Prohibit Certain Animals In Traveling Animal Act)」により新たにコロラド州法に盛り込まれる条文から、概略をまとめました。

対象となる動物

例外となる場合(下記参照)を除き、動物の巡回公演の形態で、以下の動物の演芸等(performance)を行ってはならないとされています。野生生まれであるか飼育下繁殖であるかを問わず対象であり、また、以下の動物の交雑個体も対象に含まれます。

  • バイソン、ウシ、シカ、ワピチ(アメリカアカシカ)、ヤギ、トナカイ、ブタ、ヒツジ以外の鯨偶蹄目、
  • イエネコ以外のネコ科、
  • イネイヌ以外の野生のイヌ科、
  • 有袋類、
  • 非ヒト霊長類、
  • ウマ、ロバ、ラバ以外のウマ目、
  • 鰭脚亜目、
  • ゾウ目、
  • ダチョウ目、
  • ペンギン科、および
  • クマ科。

「演芸等(performance)」が何を指すかも定義されており、動物のあらゆる上演、サーカス、ライド、カーニバル、パレード、レース、パフォーマンス、またはそれに類する事業であって動物が登場するものを指すとされています。

また、「動物の巡回公演(traveling animal act)」とは、演技等の目的のために、場所を移動して動物が輸送される興行を意味します。

例外

例外となる場合として定められているものには、以下のようなものがあります。(細かい定義などは省いた概略です)

  • 野生生物保護区や、動物園水族館協会等に認められた施設で行う場合。
  • 動物が、ペット動物のケア及び施設に関する法律で定義されている家畜の場合、もしくは農業家畜法で定義されている代替家畜である場合。
  • 環境教育プログラム(下記参照)の一環として行われる場合であって、かつ、以下の場合。
    • 1年に6か月を超えて動物が使用されない場合。
    • 動物が1日あたり12時間以上車両内に留まらない場合。
    • 大学、大学、研究所、または連邦政府の「動物福祉法」に基づいて適切に認可または登録されたその他の研究施設で、研究を行う目的である場合。
    • 映画やテレビ番組が唯一の目的であり、その映画やテレビ番組において、観客の前で動物の演芸が行われていない、もしくは観客、一般大衆、顧客などとの相互干渉がない場合。
    • ロデオやカウンティーフェア(郡が行う農畜産物の共進会)

但し、環境教育プログラムとは、以下のように定義されています。

  • 1つまたは複数の、動物の自然な行動、生息地、ライフサイクル、または同様の教育的な情報について、教育または保護を目的とした知識や情報を提供するために専門家が設計したものであること。
  • そのような情報を提供する資格を有する個人によって行われるものであること。
  • 獣医学的目的のための業界標準の飼育方法を除き、野生の状態では動物が自然にとらない行動を行わせないものであること。

罰則

違反した者は、軽犯罪を犯したとみなされます。有罪判決を受けた場合の罰金は、250ドルを超え、なおかつ1回の違反につき1,000ドル未満である金額が科せられます。

感想

家畜が使われるのでもともと除外ではあるのでしょうが、ロデオが対象外として明示されているのが「アメリカだな…」と思います。
日本でも、「サーカスの動物ショー禁止」を実現したいですが、移動サーカスの動物ショーとは何か、何をどこまで禁止するのか、定義から始めないといけないといった話になることがあります。確かに、類似の動物利用は存在します。コロラドの州法を見ると、そこを丁寧に洗い出し、定義して区分けをしたのだなと感じます。
ただ、動物種をもっと広くするなどしないと、日本なら、法の抜け穴を付いた興行が行われてしまうのではないかと感じます。
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動物を見世物にする興行にノー!の声を

動物たちは、自分でのぞんで芸をしているわけではありません。
彼らの本来の生き方とかけ離れた姿を見せることで、サーカスは、動物について間違った理解を広めています。
残念ながら日本では、マスメディアや大企業がサーカスの興行に関与しているため、正しい理解が広まりません。
草の根で、動物たちのために声をあげていきましょう。